阿蘇アイゼン合宿報告

期間:11/20〜23(実働4日予備1日)
山域:阿蘇鷲ヶ峰周辺(仙酔峡B.C.)
目的:岩場におけるアイゼン歩行技術の習得,ビバーク訓練による精神力の強化
参加者:安倍健太郎(3年、C.L.、装備)、小川朝成(1年、食料)

行動記録

11/20(晴れ時々雨)
5:00起床5:35発→6:20関門6:35→7:25第一キレット→
7:35虎ヶ峰→8:15赤壁基部→9:05終了→9:20西稜の肩
9:55西稜〔ダイレクト〕11:10
11:50西稜〔チムニー〕13:10
13:25西稜の肩発→遭難碑→15:15B.C.
チムニーの出だしで両足のスタンスともグラグラするのには参った。

11/21(快晴) 松ヶ尾谷
4:30起床5:05発→6:45松ヶ尾谷入谷→8:45関門9:35→12:45
第一キレット→14:15B.C.
大滝の手前の滝を巻くためルンゼを詰めていたら谷に戻れなくなり、そのまま登ってい
ったら1キレに抜けた。確か去年も同じ道を通った気がする。時間的にはこっちを通った
方がかなり早いが…。

11/22(晴れのち曇り後雨)
5:30起床6:05発→6:45関門7:00→7:50西稜基部8:05→〔トラ
バース〕→9:25西稜の肩→9:55北稜基部10:05→12:15鷲ヶ峰12:
35→14:05天狗の舞台(B.P.)
北稜4ピッチ目でルートを誤り渋い登りとなる。ビバークポイントにつく頃から雲が出て
くる。今合宿を通じて大変暖かくそのためビバークでは防寒着、シュラフカバー使用禁
止としたがそれでも快適。23時頃から雨が強くなりシュラフカバー解禁。ツェルト内は
水浸しとなるが気温が高いこともあり熟睡できた。

11/23(雨のち曇り)
6:20発→7:50B.C.(下山)
アイゼンをはいて下る。温泉に入り、途中恒例の久留米の焼肉食い放題で食い過ぎて吐
きそうになりながら家路につく。

反省

○ 松ヶ尾谷で観察力が足りなかった
20mCS滝の手前の滝でで遠くから見た感じ登れそうにないので、巻こうとして垂直に
近い土壁を登ろうとして落ちそうになった。なんとかクライムダウンする事が出来た。
結局その滝にはハーケンもあり容易に登れた。
○ 同じく松ヶ尾谷で行き当たりばったりの判断を行なった
大滝手前の滝も遠目で見た感じ登れそうになく再び谷に戻る方法を深く考慮せずに登り
やすそうなルンゼから高巻きを開始した。結局谷に戻る事はあきらめた。このルンゼが
比較的容易に1キレに通じていたので何事もなかったが、夏山の八右衛門沢の時と違うの
は結果だけで判断の過程に進歩は見られなかった(ただし去年の経験から1キレに簡単に
抜けられる事はある程度確信を持っていた。)。前項とも重複するが高巻きを行なう際
には注意深い観察と慎重な判断が必要だと感じた。

総括

 天候にも恵まれ、アイゼンワークの習得にも大きな成果が得られたと思う。ただ、今回
の気象条件は'異常'であることを認識する必要があり、例年の阿蘇、もちろん冬山もあ
のように生易しいものではないと気を引き締める必要がある。まあ、目的も達成でき充
実していたし、無事合宿を終える事が出来てよかった。小川はよくがんばった。お疲れ
様でした。

個人反省

安倍健太郎
〜個人反省と感想〜
1年生の小川と2人ということで今回はいつも以上に緊張する合宿となった。合宿を無事
終えた時にはとてもホッとして全身の力が抜けていく感じがした。反省としては相変わ
らずルートファインディング力の不足を感じた。全行程何度か行った事があるのに迷っ
たり間違ったりする事があった(北稜の3,4ピッチ目で間違えた)。冬山では一つの
ルート間違いが致命的な結果を招く事を肝に銘じて明確な根拠のある判断を行ないたい
。合宿中好天に恵まれ全行程こなす事が出来、また不安であった2人という少人数の寂し
さというのも特に感じる事がなくとても充実した合宿だった。この合宿の成果を冬山に
つなげていきたい。また、もう一度気を引き締めて万全の態勢で冬山に臨みたい。
〜装備係の反省〜
○ ラジオのAMが入らず車のラジオで天気図を取ることになった。
○ テントがでかすぎた。が、部に2〜3人用の(冬用)テントはなく、お金もなくいかんともし難い。
○ ガスが多すぎた。中×2で良かったと思う。

小川朝成
〜個人感想〜
今回の合宿はかなり満足できるものだったと思う。西稜チムニーや松ヶ尾谷関門の脆い
岩は恐かったが、冷静に登る事が出来たし、一番心配していた北稜はまあ快適なほうで
登り終えた後の充実感、鷲の山頂からの眺めはすばらしかった。ビバークも気温が高く
雨も特に問題とならなかった。
〜個人反省〜
今回は今までの部会での反省点を見直していた為単純な忘れ物等のミスは避ける事が出
来た。その中で今回の反省点としては
・ パッキングが甘く携帯などが濡れる恐れがあった。
・ 自己脱出用シュリンゲをなくしテープシュリンゲで代用した。
という点があったので次の合宿ではさらにこれらの点を踏まえてミスの無いものにした
い。
〜係の反省〜
記録係としてはたまに休憩中にメモ帳を取り出す事を面倒くさがったため多少時間が不
正確な事があった。食料係としては今回は食費を安くする事に集中した為内容が単調に
なってしまった事とエッセンのいくつかに氷砂糖を入れ忘れた事、米の分量を間違えた
事(2人分を1人分しか入れなかった)が挙げられる。米の分量間違いは致命的なもので
あった(予備日の分を使った)。冬の食料は軽量化と食べる楽しみ両方を達成できるよ
うな献立を立てたい。 inserted by FC2 system