夏山縦走報告
山域:北アルプス(親不知〜白馬〜唐松〜五竜〜鹿島槍〜針ノ木〜烏帽子〜三俣蓮華〜黒部五郎〜薬師〜剱)
期間:7月19日〜8月2日(実働14日沈殿1日)
参加者:大山千聡(2年、P.L.)、高田広崇(1年)

○行動記録

7月19日(曇り時々雨のち晴れ)
7:40親不知→8:50栂海新道登山口→14:00坂田峠→19:00白鳥小屋(T.S.)

  登山口まで道路の上を歩いていく。登山口からは高田に合わせたゆっくりした
ペースで登っていく。ひたすら樹林帯が続いていた。
シキ割を過ぎた頃から雨が降ってきてブルーになった。なお、シキ割で水を汲もうと思っていたが
水場の場所がよくわからず通過してしまった。
その後白鳥小屋までもう少しのところに来ると晴れてきた。夕焼けがきれいだった。
うす暗くなった頃、白鳥小屋に到着。水場(涸れる事が多いらしい)を探すが、どこにあるかわからず。
また、今日の行程でコースタイムを大きくオーバーした事を考えて、
明日の行程を計画どおりにこなすのは無理と判断し、明日の目的地を朝日小屋
から栂海山荘に変更することを決める。

7月20日(晴れのち曇り)
5:00起床6:00出発→7:00小ピーク(→黄蓮ノ水場→8:40小ピーク)
→11:30黄蓮ノ水場→15:30栂海山荘(T.S.)

  朝、起きると晴れまくっていた。水が残り少ないので節約していくことにする。
1ピッチ目から高田がバテまくっているのを見て、水のことが心配になる。
次の水場までのコースタイムは2時間くらいで、普通に2ピッチで行ければ
よいのだが、高田の様子を見るとそうはいきそうにない。
さらに天気が良く気温が高めだったことを考えると、
水場に着くまでに水がもつか不安になった。水不足→日射病という図式も
浮かんできた。そこで途中にあった小ピークで高田に待機してもらい、大山が空荷で
ポリタンを持って黄蓮ノ水場まで水を汲みに行く。水を汲んだあと、
高田の待つ小ピークに戻って水の心配はなくなる。
少し休息したあと出発。コースタイムのわりに
栂海山荘までの道のりを遠く感じた。

7月21日(晴れのち曇り)
4:00起床5:10出発→5:20犬ヶ岳→6:15北俣ノ水場→7:40サワガニ山
→10:30黒岩山→19:25朝日岳→20:50朝日小屋(T.S.)

  最初の方はいいペースで進んでいくが、だんだん高田がバテ始めて黒岩山
あたりからペースが遅くなる。うす暗くなった頃、朝日岳に着いた。ガスが
かかっていて景色はほとんど見えなかった。下りはじめると、あたりはどんどん
暗くなってきて、さらにガスがかかっているためヘッドランプを出すが、視界は悪い。
この影響もあって、途中で登山道がわからなくなった。あせったが、
マーカーなどを手がかりにして探すと登山道が見つかり、ほっとした。
朝日小屋に着き、小屋にテントの手続き
をしに行くと、今ごろ着いたのか、と小屋の人に心配され、さらに
食事を食べていきなさい、と言われ、少しためらうが、いただくことにした。
その後、テントに戻って今日の行程で体力的にも精神的にも疲れた事を
考え明日は休養する事に決める。

7月22日(晴れのち曇り)
  今日は休養日ということでのんびりしていると、小屋の人がやってきて
お茶しませんか、と誘われて参加させていただく。また、景色がいい所が
あるからいきませんか、と誘われ行ってみると、剱岳が遠くに見渡せた。
さらに昼食のカレーまでご馳走になった。本当に親切にしていただいたなあ、と思う。

月23日(晴れのち霧)
3:30起床4:50出発→9:10雪倉岳→13:25白馬岳
→17:50天狗山荘(T.S.)

  出発前、小屋の人に、お礼を言いに小屋まで行った。お礼を言うと、ポカリと牛乳
の差し入れをくださり、あたたかい言葉をかけていただいた。
その後、気合を入れて出発した。雪倉岳までいいペースで進む。雪倉岳からみる
景色がとても良かったので、しばらくカメラタイムをとる。
白馬岳までもいいペースで進む。山頂ではガスがかかっていて、
まわりの景色が見えず、寒かったので少し休んで出発した。
進むにつれ風が強くなってきて、鑓ヶ岳への登りに入る頃には
シャレにならないくらいの暴風が吹き荒れていた。これを気合で乗り切り、
風が弱まってきたころ、天狗山荘に着く。

7月24日(霧時々晴れ)
4:00起床5:25出発→11:15唐松岳→14:35五竜山荘(T.S.)

  朝から濃い霧、強風で憂鬱になる。不帰キレットは特に問題なく通過。
唐松岳ではガスがかかっていて、まわりの景色がよく見えなかった。
五竜山荘では途中会った登山者の方からカロリーメイトなどの差し入れを
いただく。久しぶりに早めにテント場についてゆっくりできた。

7月25日(霧時々晴れ)
4:00起床5:20出発→6:30五竜岳→10:25キレット小屋
→13:55鹿島槍ヶ岳南峰→15:50冷池山荘(T.S.)

  霧のなかを出発。五竜岳ではガスがかかっていて景色がよく見えない。
とりあえず写真を撮ってもらい進む事にする。五竜岳〜鹿島槍ヶ岳は
梯子や鎖がたくさんあって、冬に来たら難しいんだろうな、という印象を
受けた。鹿島槍ヶ岳北峰、南峰と登り、冷池山荘まで進む。
テント場と山荘の距離がやけに遠かった。日暮れどきに晴れてきて
立山連峰のすばらしい姿に感動。

7月26日(晴れのち霧)
4:00起床5:10出発→6:40爺ヶ岳中峰→7:50種池山荘
→10:15新越山荘→11:40鳴沢岳→12:50赤沢岳
→15:30スバリ岳→16:50針ノ木岳→17:25針ノ木小屋(T.S.)

 爺ヶ岳中峰での展望がすばらしかった。南峰もいちおう登って種池山荘へ。
そこから黙々と進んで行くと赤沢岳で船越、白砂と会う。船越の嗜好品を
みんなで食べつつ大休止する。船越、白砂が出発したあと、我々も出発する。
ここからスバリ岳まで1ピッチで行ったが、かなりきつかった。それから
針ノ木小屋に着いてテントにいたところ、途中出会った大学時代ワンゲルだった
というおじさんからビールの差し入れをいただく。明日下山するとの事。

7月27日(晴れ時々霧)
3:30起床4:40出発準備完了5:00出発→6:00蓮華岳→8:30北葛岳
→11:10船窪小屋→12:00テント場(T.S.)

  出発の際、今日の行程予定が烏帽子小屋までとかなり長いことを考え、
針ノ木谷に下ってコースタイムを短縮するか、予定通り蓮華岳の方にいくか、
しばらく迷ったが、結局、蓮華岳の方を通っていくことにする。
蓮華岳から見る景色はすばらしかった。蓮華岳からは急な下りを1ピッチで行き、
北葛岳、七倉岳と進む。七倉岳に着いたとき、疲労感が大きく、烏帽子小屋までは
まだかなりの距離があったので、無理をしないで船窪小屋近くのテント場で泊まる
ことにする。船窪小屋に着いて、テント場の手続きをして、テント場に向かう。
テント場にテントを張っているのは自分達だけだった。

7月28日(晴れ)
4:00起床5:10出発→5:35船窪乗越→10:15不動岳
→11:50南沢岳→13:20烏帽子岳→14:25烏帽子小屋(T.S.)

  船窪乗越から船窪岳までは急登できつかった。樹林帯を抜けて不動岳にでると
烏帽子岳が近くに見えた。烏帽子岳を空荷でピストンして烏帽子小屋へ。

7月29日(晴れ時々くもり)
4:00起床5:05出発→8:10野口五郎岳→11:40水晶小屋→12:30水晶岳
→15:20鷲羽岳→17:10三俣山荘(T.S.)

  野口五郎岳から水晶小屋に向かっているとき、槍ヶ岳がよく見えた。
水晶小屋から水晶岳を空荷でピストンし、鷲羽岳へ向かう。
鷲羽岳では途中出会ったおじさんから大量の差し入れをいただく。
鷲羽岳から三俣山荘への下りは、大山の靴擦れがひどく、時間がかかった。
三俣山荘は人がたくさんいた。

7月30日(晴れ時々霧)
4:00起床5:30出発→6:20三俣蓮華岳→8:00黒部五郎小舎
→11:00黒部五郎岳→14:20北ノ俣岳→15:50太郎平小屋
→16:25太郎兵衛平テント場(T.S.)

  黒部五郎岳のカールは本当にすばらしかった。テント場に着くと、
テントがたくさん張ってあって、にぎやかだった。

7月31日(霧のちくもり)
3:30起床5:20出発→6:45薬師岳山荘→7:55薬師岳→11:20スゴ乗越小屋
→14:50越中沢岳→17:55五色ヶ原山荘→18:10五色ヶ原キャンプ場(T.S.)

 出発が遅れてしまった。薬師岳に着くと、濃いガスがかかっていてまわりの景色が
よく見えなかった。また風が強く寒かった。途中、休憩中におねえさんから差し入れ
をいただいた。スゴ乗越小屋から少し下って、越中沢岳への登りにはいると、かなり急
できつかった。この登りの途中で休憩したあと、次のピッチで越中沢岳まで行けるだろ
う、と考え、進むがなかなか着かず、もう少しで着くから、と言って休憩をとらず2時間
ぐらい歩いてしまった。これは大山がコースタイムを勘違いしていたためであるが、
高田がキレていた。薄暗くなるころ、五色ヶ原山荘に着きテント場の手続きをして
五色ヶ原キャンプ場へ向かった。

8月1日(晴れ)
5:00起床6:20出発→7:00ザラ峠→8:25獅子岳→10:50一ノ越山荘
→12:10雄山→13:00大汝山→13:40富士ノ折立→15:30別山
→16:30剱沢キャンプ場(T.S.)

 一ノ越山荘までいいペースで進む。ここから雄山まで1ピッチで行く。
雄山には人がたくさんいた。その後、大汝山、富士ノ折立、別山と進む。
別山から見る剱岳に感動した。それから剱沢キャンプ場へ向かう。
テント場から剱岳がよく見えた。

8月2日(晴れのち霧のち晴れ)
4:00起床5:30出発→9:35剱岳→12:40早月小屋→16:25馬場島

 今日で下山だな、と思いつつ、剱岳へ向かう。
カニのタテバイが渋滞していて順番待ちだった。剱岳に着くと
天気が良く展望がすばらしかった。しばらく休憩したあと、下山開始。
下山ルートは早月尾根を下って馬場島、と前に決めていた。
早月小屋を過ぎたころから、靴擦れがひどくなるなど大山の
調子が悪くなった。しかし、下山パワーを振り絞って下る。
夕方頃、馬場島に到着。15日間長かった。

○反省
・計画を勝手に変更して早月尾根を下った。
計画段階では室堂か称名滝に下ることにしていたのに、
自分の勝手な感情で早月尾根を下った。早月尾根を下ったことは
後悔していないが、今後こういうことはないようにしたい。
・計画に無理な点があった。
計画では1日で行けると考えたところでも、実際は2日かかってしまうことがあっ
た。また、1日の行動時間が長くかかってしまい、
遅くなってテント場につくことがあった。
もう少し余裕のある計画を考える必要があった。

○感想
15日間本当に長かった。いろいろあったが、目標の剱岳まで行く事が
出来て本当にうれしく思う。高田も最後までモチベーションを失わず、
よく頑張ってくれた。また、朝日小屋の方々をはじめ、多くの方々に
親切にしていただいた。心から感謝しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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