後立山、栂海新道縦走
山域:北アルプス北部(七倉−烏帽子−鹿島槍−白馬−親不知)
期間:7月24日〜30日(実働7日)
参加者:船越陽(2年、P.L.)、白砂貴盛(1年)

行動記録:
7/23 離福

7/24(快晴)
7:11高瀬ダム出発〜12:00烏帽子小屋着

 七倉のゲートが6:00に開くということなので、大町駅でしばらく待機してタクシーで出発。
北ア3大急登のひとつであるブナ立尾根は宝満の登りがずっと続く感じ。順調に進み5ピッチで
烏帽子小屋に到着。

7/25(快晴)
4:00起床・5:00発〜5:55烏帽子岳〜7:20南沢岳〜9:30不動岳〜12:05船窪岳?
〜15:10船窪乗越〜17:00針の木沢の出合

 1年の出発準備が早く余裕をもって出発する。不動岳までは順調に進むもコースタイムを切れ
ず。ここから白砂がバテ始めたので、船窪の危険な個所では慎重に進ませる。船窪の登りはかな
り長く感じた。コースタイムを大幅に過ぎたので針の木岳の沢で泊まる。

7/26(晴れ後曇り)
3:30起床・4:30発〜7:00針の木小屋〜8:30針の木岳〜9:50スバリ岳〜
12:30鳴沢岳・大休止〜18:00種池山荘

 小屋までの急登を速いペースでのぼり、コースタイムを大幅短縮。針の木岳からは2人とも昨
日の疲れが残っており、ゆっくりしたペースで歩く。15分休憩が常になる。鳴沢岳山頂にて大
山・高田と出会う。ここで1時間くらい休憩を取る。時間的に爺が岳を越えるのは難しいと判断
し種池山荘で泊まることに決める。1年のペースが遅く、ここから二人の距離が離れていく(色
々な意味で)。

7/27(晴れ)
2:00起床・3:00発〜3:45爺が岳〜5:20冷池山荘〜7:40鹿島槍南峰〜8:10北峰〜
9:30キレット小屋〜14:00五竜岳〜18:00唐松山荘

 遅れを取り戻そうと今日中に唐松まで行くことにし、2時起き3時発とする。冷池までは快調
に進む。ここから白砂の疲れがみえ始め、鹿島槍南峰までは各自のペースでいくことにする。北
峰は船越のみ登頂。八峰キレットは難なく通過。五竜のぼりで船越がバテる。白砂はそれほどば
てていなかったので先に行かせたところ、五竜小屋まで進んでいた。船越、1時間ほど遅れて五
竜小屋につく。15時をまわっていたが唐松まで行くことにして、また1年を先に歩かせる。

7/28(くもり後晴れ)
4:00起床・5:45発〜10:00天狗山荘〜14:00村営白馬山荘〜17:45雪倉岳避難小屋

  中だるみのため出発が遅れる。唐松岳通過後の不帰は問題なく通過する。天狗山荘まではコー
スタイムをきり、1ピッチ2H30の2ピッチで進む。このころから、2Hほど歩いて30分休
憩する形が定着する。白馬三山では船越一人で杓子岳(鑓と白馬の間。30分)に登り、白砂を
山荘まで行かせる。山荘到着後40分休憩し、昨日、一昨日の行動時間を考えて朝日岳まで歩く
ことに決定。雪倉の非難小屋についたころに風が強くなりガスが出てくる。小屋にいた人の強い
引き止めと、船越の臆病のため小屋泊りをしてしまう。小屋前はテントを張るスペースはいくら
でもあり、2人の体力もまだ余裕はあった。

7/29(快晴)
3:00起床・3:40発〜4:40雪倉岳〜7:35朝日岳〜9:00長栂山〜10:35黒岩平〜
12:45サワガニ山〜14:35犬ヶ岳〜14:45栂海山荘

  快調に進む。朝日岳の急登も1ピッチで抜ける。サワガニ山、犬ヶ岳は両側が切れているが難
なく進む。後半は歩いていて、風がほとんど通らなかったので暑かった。ほぼコースタイムどお
りに到着する。

7/30(快晴)
3:00起床・3:50発〜7:30白鳥小屋〜11:55ホテル親不知(終了)

 ずっと樹林帯の中を行動する。白砂は足を痛がっていた。快調に進む。親不知の手前の最後の
下りで道に迷い険悪なムードの中下山する。

反省:今回自分がCLとして1年生を引っぱっていったのだが、反省すべき点が多々あった。
   以下に書き記す。
@計画段階での詰めの甘さ・・・今回の行動計画をかなり甘く見ていた。縦走なら危険はないと
感じていた。また計画を立てる際に自分の独断で作った。地形図をよく把握できていなかった。
等高線を予め読んでいなかったのでどこからが登りできつくなるところかなどが分からず、1年
は精神的にきつかったと思う。
 
A1年生との行動について・・・冬山に行かない人と一緒に行動するのは難しい。夏山の縦走が
メインで楽しむ人に、今回の縦走を冬山に向けての体力強化の「訓練」として捕らえさせることが
できなかった。結果として1年の要求をのみ遅いぺース、過剰の休憩時間をとってしまった。自
分にとっては体力強化という目的達成度は65%くらいだ。だけど1年の体力も思うほど上がっ
ていないのではなかろうか。

BCLの判断・・・五竜の登りで1年を先に行かせたこと。自分がばてた事が反省すべき点であ
る。初めて縦走をする1年生を一人で歩かせたのは間違いであった。もし危険があったときには
対処できなかっただろう。不満が出ても一緒に行動すべきであった。また非難小屋に泊まったこ
とも大いに反省すべきだ。冬山の訓練とは言っておきながら安易に小屋泊りをしてしまった。自
分が白馬を出発した時点で不安があったため、ここにきて周りを良く見た判断ができなかった。
ここで行動を終了したのは良かったと思うが、テントで泊まるべきであった。全体としてある事
柄に対して判断を迫られたときに、しっかりとした答えの出ないまま悩んでそのまま行動するこ
とが多い。冬山、それ以外の活動でもこの姿勢では危ないだろう。

C行動ペースと休憩・・・途中から一年との話し合いで、ゆっくりしたペース(実際は息が上が
らない程度の歩き)で2時間ほど歩き、休憩を30分取るようにした。体力的にはあまり疲れが
来ずに唐松?天狗山荘、朝日岳ののぼりではこれがおおいに有効であったが、休憩を長めに取る
ので結果的にコースタイムを切ることができなかった。だらだら長い時間歩くと体力的にはまだ
大丈夫でも集中力が切れて危ないのではなかろうか。この歩き方は中高年向きであって、体力強
化と忍耐力強化を目指す大学山岳部(少なくとも自分はそう思っている)には不向きであろうと
思われる。

以上より自分は、判断力と他人を納得させて引っ張っていく強い意志、安全に対する認識が足り
ないので、今後の活動はもっと挑戦的なこと、自分の体力・技術ぎりぎりのところで危険のない
ような活動をやっていこうと思う。具体的には沢登りと野北以外の場所での岩登りがいいと思う。
  inserted by FC2 system