2003(平成15)年度夏山縦走合宿報告          文責:松岡

山域:南アルプス北部
期間:2003/08/20/We-2003/08/26/Tu 
参加者:P.L.松岡沙紀子(2年)・桜木理(1年)

行動記録:
08/20/We 晴
09:00入山-10:00夜叉神峠分岐-11:27大崖頭山-12:04杖立峠-12:56苺平-13:34南御室小屋

甲府駅からバスに乗ろうとしたところ、タクシーから声をかけられる。広河峠に於ける崩落の影響でバスは通っていないとのこと。夜叉神峠までタクシーに乗る。
いよいよ入山。今日は行動時間も短いし、焦ることはないと考え、よちよちと登る。よく晴れて暑い。昨日までの北アルプスの悪天候とは大違いだ。幸先いいぞと嬉しくなる。
大崖頭山の道標の所で岡山大学のワンダーフォーゲル部と遇う。幕営地もやはり一緒であった。北アルプスと比べ、あまりにも虫が多いのに悩まされる。虫には合宿の最初から最後まで、テントやコッヘルの中に毎日うじゃうじゃともぐりこまれ大いに閉口した。

08/21/Th 晴
04:00起床-05:13出発-06:10薬師岳小屋-06:19薬師岳-06:44観音岳-08:09赤抜沢ノ頭-09:01高嶺-10:34赤薙沢ノ頭-11:49早川尾根小屋

出発の準備に少し時間がかかる。テントから出てみると岡山大は既にいない。しかし薬師岳山頂であっけなく追いつく。写真を撮ってあげたり、富士山を眺めたりして山頂に少々長居する。
高嶺から白鳳峠へ下るとき、危うく迷いかける。
早川尾根小屋に12:00前に着き、小屋の方からお茶を頂く。もう少し足を伸ばすかどうか悩むが、これ以上進むとキリがないので予定通りここで幕営することにする。15:00過ぎになって岡山大も到着。地蔵岳までピストンしたらしい。17:00頃、姫路工業大学の山岳部がやって来る。山岳部というよりまるでマタギのような風貌の猛者ども。なんで鉈を持ってるの・・・?

08/22/Fr 晴
04:00起床-04:59出発-07:08アサヨ峰-08:15栗沢山-09:50北沢長衛小屋-11:26仙丈岳三合目-12:12大滝ノ頭
起床から1hで出発できた。そろそろ身体も荷物の重さに慣れてきたのか、ペースがよくアサヨ峰までコースタイム3hのところを1h30mで歩くことができた。
北沢長衛小屋まで下る。林道が通っているだけあって、設備が整い、自動販売機もある立派な小屋である。テントも多い。まだ10:00前なので悩んだ末、もう2hだけ行動して大滝ノ頭まで行き、そこで適当な幕営地を探すことにする。
水を十分に補給して出発。急登だがガツガツ登る。なんだか突然人通りが多くなった。すれ違ったオバサンに、男の子と間違えられて頭にくる。
大滝ノ頭に着き、桜木と荷物を残して空身で仙丈岳方面へ幕営地を探しに行く。15分ほど登るが森林限界を越えてしまうとガレ場になるので、やはり戻って大滝ノ頭に幕営することに。15:00頃まで待ち、人通りがなくなったのを見計らって幕営する。水が足りるか心配なので節約のため、夕食は炊き込み飯にする。

08/23/Sa 晴
04:00起床-04:58出発-05:48小仙丈岳-06:43仙丈小屋-07:30仙丈岳-08:04大仙丈岳-09:50苳ノ平-10:20伊那荒倉岳-12:04横川岳-12:40両俣小屋
人が通り始める前にそそくさと出発。仙丈岳小屋でやっと水にありつく。小屋の方に昨夜の幕営地を訊かれ、正直に答えたら苦笑されてしまった。
仙丈岳山頂は中高年がうじゃうじゃしている。早々に逃げ出す。
大仙丈岳へ向かうと先程の喧騒が嘘のように人通りがなくなり、お花畑が広がる中をのんびりと進む静かな山行となる。
横川岳の手前で社会人山岳会のパーティーに遇う。塩川からの下山の手段を聞くとやはりバスは季節運行で08/24までとのことで、親切にもタクシー会社の電話番号を教えて頂く。三伏峠からなら携帯電話で塩川までタクシーを呼べるらしい。明日北岳に登ると言ったら、「そのルートは北岳に登るルートの中では一番キツい」と散々脅されてビビる。

08/24/Su 晴
04:00起床-04:57出発-06:23中白峰沢ノ頭取付点-08:23中白峰沢ノ頭-09:30分岐-09:47北岳-10:30分岐-11:11村営北岳山荘
コースタイムでは出発から1hで取付点に着く筈が、沢を渡るのに苦労したりルートを見失いかけて藪に突っ込んだりと大騒ぎしたため1h23mもかかってしまう。しかしいざ登りだしてからは意外と好調で、確かに傾斜はキツいものの宝満山程度。足だけでなく手も使って登れるので、個人的には逆にこの方が登りやすく感じる。最初の1hをこなして森林限界を越えてからは北岳がすぐそこに見え、快調に進む。程無く北岳山頂に着くが、やはり人が多くてうんざりする。しかも中高年だけではなくて学生が多い。この日だけで10パーティーほどの学生に遇った。
桜木が今日の内に熊ノ平まで進みたいと言い出し、そのヤル気に感動するが、北岳を下り始めてすぐ、足首を痛めてしまったと言われてがっかり。結局予定通り北岳山荘に幕営する。水場まで往復1hと遠く、面倒になって水を補給せずじまいになってしまう。時間はあるんだから汲みに行けばよかった・・・。

08/25/Mo 晴のち曇
04:00起床-04:56出発-05:27中白根山-06:17間ノ岳-07:04三峰山-08:10熊ノ平小屋-09:49小岩峰-10:46北荒川岳-11:50雪投沢
朝からガスと強風。にもかかわらず富士山と日の出を撮影するのだろう、三脚を抱えたカメラマンたちの陣取り合戦が小屋の前で繰り広げられている。
耳がちぎれそうな冷たい風に震えながら出発。
間ノ岳の山頂には昨日の北岳とはうってかわって人影がなく、静けさを楽しむ。
熊ノ平小屋で山口大学の山岳部と行きあう。塩見岳へ向かったものの時間切れで農鳥岳に進路変更したらしい。昨夜雪投沢に幕営したとのことで、幕営地の様子をいろいろと教えて頂く。
雪投沢には我々以外誰もおらず、また今日も水場がかなり遠かった(今日は水を補給しないわけにはいかなかったけど・・・)。夕方からガスがかかり始め、夜中に雷が鳴り、時折雨がパラついた。

08/26/Tu 雨
04:00起床-05:36出発-06:35塩見岳東峰-07:40塩見小屋-08:15分岐-09:38本谷山-10:28三伏峠-10:43三伏峠小屋-13:37塩川小屋
いよいよ下山日。出発間際になって雨が降り出したため、カッパを着込んでいると、なんと強風でテントが吹っ飛ばされた!ハイマツの上を弾みながら谷の方へ転がっていく。半狂乱になって風雨の中ハイマツをラッセルして追いかけ、50メートルほど下った所で奇跡的に捕獲に成功する。ひとまずホッとするが、幕営地に戻ろうにも、テントをつかんだままハイマツに逆らって急斜面を登るのは一苦労で、なんとか帰還を果たしたもののくたくたに疲れ切ってしまう。今日が下山でよかった・・・。
塩見岳周辺はガスで何も見えない。ガレ場を慎重に下る。
やっと塩見小屋に辿りついて一安心してからは、平穏無事な道のり。
三伏峠小屋からタクシーを呼び、がぜん下山パワーを発揮してひたすらガツガツ下り、ついに塩川小屋に到着。お疲れ様でした。


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