2003(平成15)年度冬山合宿報告　　　　　　　　　　　　　　　　文責：高田
期間：2003年12月27日から2004年１月2日(実動6日、移動１日)
山域：杓子岳双子尾根(白馬)
参加者：高田広崇(3年、C.L.、装備)、松岡沙紀子(2年、食糧、医療)

行動記録：
12月27日(移動日)　
博多17:22[のぞみ30]⇒大阪21:42[急行ちくま]⇒
中溝先生、吉田さん、船越先輩に見送られて博多を出発。大阪駅では望月さん、福原さんが来てくださる。

12月28日　(快晴、無風)　
⇒11:17白馬12:00[タクシー]⇒12:10二股12:40→17:20(幕営地)
急行ちくまから大糸線に乗り換えたところで、ちくま車内に食糧を忘れたことに気付く。信濃大町で下車し、長野へ食糧を回収に向かう。空は快晴で、早く入山したいのにと、気が焦る。結局、予定より約6時間遅れで入山。
二股に不用品をデポし、雪に覆われた林道をひたすら歩く。うっすらしたトレースがしばらくはあったが、そのうち消えた。タクシーの人の話では、二股から入ったパーティーがいるらしかったが。２ピッチ歩いて、わかんを着ける。ラッセルとは言っても、ひざ下もない。しかし、ペースが上がらず、この日は猿倉にすら達しなかった。暗くなって、小屋(?)が３軒あるところに幕営。

12月29日　(晴のち雪、無風)　6:30起床　
幕営地8:00→10:10猿倉荘→12:20林道分岐→14:50(幕営地)　15:45偵察より帰幕
二人とも目覚ましをセットし忘れ、寝坊し、8時出発。もう、トレースは完全にない。猿倉荘からは、強引にショートカットして、上の林道に出る。しばらく行ってから、夏道と同じところで林道から分かれる。広い感じの尾根を赤布を付けながら上がってゆく。ラッセルは膝上ほど。尾根は広くなり、現在地が良くわからない。コンパスを見て進む。猿倉台地と思われるところで幕営。幕営後、少し偵察に出て、明日の進路を決める。
幕営を開始したあたりから、雪が降り出す。

12月30日　(雪のち曇)　4:00起床
幕営地7:00→11:20中山沢へのトラバース→15:10幕営
雪はまだ降っている。5:30に一度テントから出るが、現在位置不明の上、雪で視界がないので、しばらく待機。明るくなって動く。まずは、小日向のコルへ上がる尾根を探す。それらしいところの見当をつけ、中山沢をトラバース。複雑な地形の中、尾根状のところを拾いながら進む。沢状のトラバースがあったが、雪崩は起こらなさそうだった。2回ほど急登して、小さなピークに達した。小日向のコルには達しなかったが、天気図をとる必要があったのと、ホワイトアウトしたので、このピークで幕営。地形判断とGPS(携帯電話)でだいたいの現在地をつかむ。小日向のコルのすぐ近くと思われた。

12月31日　(晴のち雪)　4:00起床
幕営地6:20→7:20小日向のコル→15:00幕営地
やはり1ピッチで小日向のコルにつく。双子岩はかなり特徴的だ。ここから細い尾根を進む。時々赤旗を打つ。樺平まで休憩できるポイントはほとんどない。尾根は細いが、雪庇もなく、木も生えており、アンザイレンはしなかった。１５時の時点で樺平まで今日中に行くのは厳しいと判断して、幕営を開始する。ただし、幕営地は尾根の途中で、整地がかなり必要だった。夜はかなり風が強かった。
ここまで４日かかったことと、26日現在の週間予報による悪天(予報では、1日の夕方から崩れるようだった)を恐れて、下山開始を決定した。

1月1日　(曇のち晴のち雪)　4:00起床
幕営地7:00→10:05小日向のコル→15:10幕営地(猿倉台地)
朝、テント袋をなくしていることに気付く。設営の時にピッケルの下に敷いていたが、夜の強風で飛ばされたらしい。
夜中のうちに雪は止んだようだ。しかし、昨日からの積雪は50cmほどか、トレースは埋まっている。風で舞う雪が痛い。アンザイレンの必要はないと思っていたが、1ピッチのうちに2回ほど高田が雪崩を起こす。表層雪崩で、大きなものではない。しかし、万一を考え、アンザイレンする。
小日向のコルからは、登りと同じルートをとる予定だったが、雪が多いので、雪崩の危険があり、違うルートをとった。小日向のコルを越えて、尾根の陰に入ったとたん、風が止む。
中山沢のトラバースを終えて、アンザイレンを解く。猿倉台地に上がってからは、よそやうちの赤布を目印に進む。猿倉台地まで来たなら、急ぐことはないと思い、適当なところで幕営する。雪が少々降っている｡

1月2日　(晴)　4:00起床
幕営地6:30→7:20林道分岐→8:00猿倉荘→11:00二股
起きると、雪は全然降っていない。赤布を頼りに雪原を進み、あっけなく林道に出る。猿倉荘に人影はない。林道のヘアピンカーブはショートカットする。林道の途中で、突如スキー跡が出て、歩きやすくなった。二股は暑く、デポは見える寸前。タクシーの人も今年は雪が少なく、暖かいと言っていた。今日は結局、天候は全く崩れなかった。
二股に着いて、初日以来ようやくわかんを脱ぐことができた。