2004年度夏山縦走合宿におけるヘリコプターの使用についての報告
文責:高田

概要

9月12日
熊の平小屋着[12時]。
小屋の主人と話をするなかで大介のかかとの靴擦れが目に留まる[14時半]。膿がたまっているとのことで、小屋から医療品を持ってきて、奥さんと共に治療してくれる。また、親指の爪もみてもらう。
小屋の人の判断では、「これでは1日2日休んでも山靴は履けないだろう。ヘリコプターを呼ぶのが一番いいと思う。どうする?」とのことで、「(ヘリコプターを)お願いします」と答える[15時?]。小屋の人のすすめで大介は小屋に泊まらせることにする。一人付き添いを、とのことなので牧山を行かせる。
夕食後、就寝。夜中は特に問題は起きなかったよう。
9月13日
4:00起床。快晴。[5時過ぎ]朝食。大介はテントまでほぼ歩いた。本人曰く、昨日よりはだいぶ良いとのこと。[6時半]テント撤収開始。各々パッキングをして、荷物ともテラスに上がり待機。[7:15]大介は自力で回収地点まで歩いた。[7時半前]ヘリ到着。[7時半]収容完了。小屋の人にお礼を言い、5人は塩見を目指して出発する。

反省

結果としては間違ってはいなかったと思うが、そこまでの過程に問題があったと思う。
今回の問題は主に2段階ある。
1.靴擦れに気付かなかったこと。
2.安易にヘリコプターを頼んだこと。

なぜ小屋の人に指摘されるまで大介の靴擦れのひどさに気付かなかったか。
→大介のペースが遅いのは気になっていたが、体力の問題だと思い込んでいた。また、体調管理は全てメンバー個人に任せていた。把握すらしなかった。
靴擦れがあるというのは聞いていたが、テント内も含め、状態を確認したことはない。大介がガーゼを切っていたのは見ていた(農鳥小屋)。

ヘリ使用決定前に他の手段がなかったか?
→2日沈殿して様子を見る?
→両俣へ大介を下山させる?
⇒小屋の人にヘリをすすめられ、他の手段をよく考えもせず、安易にそう選択してしまった。冷静さを欠いていたように思う。判断は自主的でなく、リーダーとしての判断力・意志も欠如していたように思う。

収容完了後の福岡(吉田さん)への連絡をしなかった
→矛盾するが、あまり携帯を使いたくなかった。連絡すべきだった。

毎日、メンバーの体調を把握し、必要なら治療の手助けをする。非常事態にも冷静に状況を判断し、考えられる全ての手段を考慮する。ただ、それには状況を判断できる医療の知識が必要。
また、メンバーも何か異変があれば積極的に声をあげてほしい。

最後に、熊の平小屋の方々、今回の件では、天場に着いてから出発まで、本当にお世話になりました。ありがとうございました。また、静岡県防災局の方々、未熟な学生のためにヘリを飛ばしていただき、ありがとうございました。

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