2005年度 夏山定着合宿 報告書
○山域:北アルプス穂高岳周辺(涸沢ベース)
○期間:2005年8月9日〜8月19日(実働11日)
○参加者:千先治樹(2年、CL)、佐藤大介(2年、SL)、石原耕一(1年)、前田一樹(1年)

8/8 はれ 移動、松本SB
博多15:22→松本21:07

博多駅を新幹線で出発。船越、高田、松岡3先輩と、中溝先生、吉田さん、柿原、荒木、遠竹、角に見送られて出発。1年二人のザックが異常に重くて何が入っているのか不安になる。見送りが多いせいか差し入れが多く、食べ過ぎてしまった。松本駅到着、明日はタクシーで上高地入りすることを決めて就寝。電車が遅れていたのか、夜中になっても人通りが多かった。(千)

8/9 はれ 入山
起床4:00 松本4:50→6:00上高地6:30→7:27明神徳沢間7:40→8:17新村橋8:30→9:17横尾9:45→10:12岩小屋跡10:17→10:58本谷橋11:10→12:08本谷出合付近12:23→13:06ガレ場13:18→14:05涸沢

涼しい朝。駅前の松屋で朝食をとってから、タクシーで出発。予想より早く1時間10分で着いてしまった。身支度をして上高地を出発。岳沢、明神、奥又白を眺めつつ、横尾到着。ここまではただの林道歩きでスイカの重さを除けば問題なし。屏風岩を臨む場所で永松さんに黙祷を捧げる。本谷橋からはいよいよ本格的な山道。みな徐々に疲れが見えてくる。涸沢カールが見え始めてから着くまでが本当に長かった。休憩間隔がどんどん短くなりそうだったが、無理に進んで予定通りの時間に到着した。みなすぐには動けないくらい疲れていた。テントを張り、警備隊に計画書を提出した。翌日に備えて雪訓場の偵察に行かなかったのは失敗だった。夕飯を作っていると、ヤマケイの取材班がやってきて食料についていろいろと聞かれた。最後にスイカと鍋を持って写真を撮らされた。その日のうちにスイカを食べてしまおうということで、夕食後割って食べた。隣のテントの人に一緒に食べませんかと誘ったら、岡山大ワンゲルのパーティーで、わいわい言いながら食べた。(千)

8/10 あめ 雪訓場に上がったが帰幕・沈殿
起床4:00 BC5:10→6:08雪訓場7:00→BC7:55

雪訓の予定。まずは雪訓場を作らないと話にならない。先輩に5・6のコルの沢だと聞いていたが、テントからは直接見えないので行ってみないと分からない。そちらを目指して雪渓を登り始める。1年生は初めての雪渓で足元がおぼつかない。5・6のコルへの入り口から沢を見上げると上のほうで雪訓できそうな感じだったので、沢を登り始める。ガレ場で石原が転んで、手の爪を痛めた。中ほどまで登ったところで雨が降り始めた。3人にはツェルト使用、石原の手当を指示して、一人で上のほうを見てくる。ちょうどよさそうな場所を見つけてから戻ると、ツェルトは出しただけ、石原は自分ひとりで手当して、二人は突っ立っているだけで、愕然とした。30分ほどツェルトで待機していたが、雨はやまずガスも濃いままなので、今日の雪訓は諦めて下った。下りは登り以上に苦戦していた。帰幕後も雨がひどかった。やんだ後、千先は北穂一般道を途中まで偵察してきた。(千)

8/11 はれ→ガス→雨→くもり 雪訓1
起床4:00 BC4:58→5:23雪訓場 6:00レーン建設6:50 7:00ピッケルストップ8:25 8:40ピッケルストップ・スタカット12:00 雪訓場12:20→12:50BC

4時起床、5時出発で雪訓場予定地の5・6のコルへ向かう。前日の雨も上がり雨は降らなさそうではあったが晴れそうもなかった。5・6のコルへ到着しレーンを建設し始めたが、前日の雨で雪渓が溶け夜に凍ったらしくアイスバーンとなっていて、レーンを建設するついでにアイスバーンを崩さなければならなかった。雪訓はピッケルストップから始まり順調に進み、三人がピッケルストップを終えた後休憩をとりスタカットへ入った。スタカット三種を三人が終えた後、今まで晴れたり曇っていた空から雨が降ってきた。昨日のように強く降り続くかもしれないという考えと昼過ぎであったことから撤収となった。(雨はBCへ戻る途中に止んでしまった。)BCへ到着し一日の活動を終えた。(石)
(千先補)吊尾根方面で落石が度々あった。5・6のコルの沢内部、雪渓本体でも1度ずつあり、その恐さを実感した。帰幕後雨が強くなることはなく少々もったいない結果となった。千先はザイテングラート方面に偵察に行った。

8/12 あめ→くもり→あめ 沈殿、屏風岩遠足
起床4:00 6:45沈殿 屏風岩遠足 BC8:05→8:50屏風のコル8:55→9:35屏風の頭10:05→BC11:20

起きると雨がひどく降っていた。とりあえず7:00まで待機を決定。のんびり朝飯を食べる。明るくなってもやみそうな気配はなく、強い雨で雪渓が心配だったので6:45に沈殿・遠足(北穂または屏風岩)を決定。1年二人は雪訓の疲れから参加せず、千先と佐藤ふたりで屏風の頭まで歩いてきた。頭では涸沢カールを見渡すことができ、そのスケールに改めて感動した。帰幕してからはメモ帳でトランプを作り延々と大富豪をしていた。パノラマコースの涸沢〜屏風のコルはアップダウンがきつい。屏風の耳、頭の方はハイマツ茂っていてあまりよい道ではない。(千)

8/13 はれ→ガス→くもり 雪訓2
起床4:00 BC5:00雪訓場5:35 レーン再建6:40スタカット2種8:15 8:30コンテ10:35 10:55コンテ14:30 雪訓場14:50BC15:20

今日は雪訓の2日目。朝、雪渓を登って一昨日開拓した雪訓場へと向かった一行。到着…あれ?レーンが…。そこにはアイスバーンいっぱいのレーンの残骸が。岩もところどころ露出している。ということで、元のレーンよりも少し下の場所にレーンを作りなおすことに。どうにか完成させ、いざ雪訓なり。スタカットはスムーズにいったが、コンテ(特にループつきさし)に大苦戦。落ち役が遠ざかってゆく。気合でがんばって、なんとか練習クリア。BCまで戻ってのんびりと休息を。今日の雪訓はなかなかスムーズにできてよかった。(前)

8/14 小雨→はれ→ガス→雨 北穂東稜、北穂〜奥穂縦走
起床3:30 BC4:25→5:20東稜分岐5:30→6:00東稜稜線6:10→6:50ゴジラ手前7:10→8:30(大介)9:05(千先)ゴジラ終了→9:45北穂北峰10:12→12:03涸沢岳山頂12:15→12:25穂高岳山荘12:30→13:10奥穂山頂→13:45穂高岳山荘14:00→15:20BC

雪訓ばっかりやってて飽きた!!ということで、雪訓が残っているにもかかわらず北穂東稜へ。取り付きは南稜の途中から。なかなかの急坂。登山道が北穂沢と交わるところから一般道を外れて北穂沢のトラバースに入る。ガレ沢であったが、歩いたところは意外としっかりしていた。さすが人気ルート。東稜に入る直前の道はほとんど垂直のルンゼ状。道がぐちゃぐちゃ。雨の影響だろう。東稜に上がってからは、気持ちのいい稜線歩き。朝から降っていた雨もこのころにやむ。雨がやんでからは、景色が見えたりガスったり。やがて危険と思われる箇所に出くわし、ここがゴジラの背だろうということで、ザイルで確保しながら行く。3ピッチほどスタカット。結構楽しい。スタカットが終わると、すぐ懸垂地点。ここは行く前から懸垂しようと(個人的に)きめていたのだが、下を見ると、クライムダウンは簡単そう。逆に懸垂は足場が悪くてセットに時間がかかりそう。ということで、大介隊はクライムダウンすることにした。前田を先に確保しながら下ろす。千先隊は懸垂しようとして、苦戦。ここまでくればあと一歩。40分ほど登って北穂山頂に着いた。天気は快晴。 ここからは奥穂小屋まで行き、奥穂をピストンし、ザイテンを下って帰る。涸沢岳までは中高年によるものすごい渋滞。これには閉口した。奥穂ピストン中に土砂降りとなる。山頂の方向指示板にタッチして、すぐ下るが、奥穂小屋につくころには雨もやむ。ザイテンはなかなか疲れる道だった。涸沢に着いたらガス。(大)
(千先補)穂高岳山荘到着時かなり疲れていたが、天候によってはもう奥穂に来られないと思い、ピストンを決行した。

8/15 雨→はれ→雨 雪訓3(試験)
起床4:00 出発決定7:00 BC7:15→7:45雪訓場 レーン再建 8:15ピッケル5種、スタカット3種10:15 中止10:50待機 雪訓場12:00→BC12:35

今日中に試験を終わらせるべく、出発。レーンを直し、まずはスタカットの練習から。前回それが終わっている前田以外の2人がやる。次にコンテに移る。ところが、これをやっている最中に雨が強まり、やむ気配なし。ツェルトで待機するが、強まるばかりだったので撤退する。この雨で前田が風邪を引いてしまい、翌日は行動できず。試験までは終わらなかった。(大)
(千先補)雨が強かったが沈殿したくなかったので、1時間ごとに出発判断をするようにした。雪がかなり腐っていて、試験ではすぐに止まってしまった。帰幕後は気分転換におでんを食べに行った。

8/16 はれ→ガス→はれ 蝶ヶ岳アタック
起床3:00 BC4:00→テン場下再出発4:15→4:55本谷橋通過→5:35横尾通過→6:20徳沢6:30→7:42標高2200m付近7:55→8:47長塀山9:00→9:33蝶ヶ岳山頂9:50→10:57下山2/3付近11:10→11:50横尾通過→12:10岩小屋跡12:20→12:50本谷橋通過→13:08本谷出合付近13:20→14:10ガレ場付近14:20→BC15:00

3時起床、4時出発のロングランの予定であったが、朝食後前田が体調不良であると訴えたため、病人を一人でテントの中に残してロングランはできないと判断し、急遽蝶ヶ岳アタックへ変更になった。4時過ぎにBCを出発し5時過ぎに横尾山荘に到着した。それから5時40分頃に徳沢ロッジに到着し6時まで休憩した後、蝶ヶ岳登山口に入った。すぐに樹林帯の中での急登が続いた。ところどころ高い枝の先にリボンが結んであった。途中一回休憩をいれ、急登を終え尾根をしばらく歩いて長塀山に到着した。まだ樹林帯で蚊が多かった。山頂で休憩をとった後、蝶ヶ岳を目指した。途中地図上ではくぼ地であった場所には水がたまり池となっていた。妖精の池を過ぎ蝶ヶ岳に近づくにつれ、植物はハイマツだけとなっていった。山頂に着き蝶ヶ岳ヒュッテの近くで休憩をとり、帰路についた。横尾山荘へ降りる登山道は急勾配で延々と下った。下山に要した時間はエアリアと同じ時間だった。最後涸沢に向かっていて本谷橋を過ぎたあたりから石原がばて始め、ついに涸沢の直前で倒れてしまった。熱射病みたいだった。その後回復しBCへたどり着いて一日の行動を終えた。(石)

8/17 はれ→ガス→はれ→雨 ロングラン、ビバーク
起床3:00 BC3:50→4:53ザイテン中腹5:03→5:35穂高岳山荘5:47→6:18奥穂山頂6:40→7:45ジャンダルム通過→8:05ジャンダルム先8:10→9:10天狗のコル9:25→9:50天狗岳通過→10:40間ノ岳10:55→11:50西穂山頂12:05→12:58西穂独標13:08→13:40西穂山荘13:55→14:40宝水14:50→15:40田代橋通過→16:08河童橋16:20→17:25徳沢ロッジ17:45→18:10BP

ロングラン1日目の今日。朝は天気がよく、日の出の光が山々を幻想的に映し出す。こんなきれいで壮大な風景は下界では決して見ることはできないだろう。感動しつつ、ザイテンをサクッと登る。かなりいいペース。奥穂は14日の時と違って晴れていて、ブロッケンも見えた。槍をバックに写真を撮ってもらう。この先、想像以上の危険箇所が待っているとも知らず、景色に感動。…これはやばい、と思うことになるのにはそう時間はかからなかった。奥穂〜西穂山荘までのルートは、浮石が多く、岩質も脆く、一瞬も気を抜けない場所だった。落石に注意しつつ慎重に進んでいく。途中ガスが出て、空模様があやしくなるが、なんとか天気が持ち直してくれて雨にはあわなくてすんだ。苦戦しながら、なんとか西穂山荘に到着。この行程中で、ライチョウを初めて拝むことができ、さらに感動。また、日本一難しい縦走路を無事に通り抜けることができ、少し自信になった。西穂山荘からはずっと道を下ってゆく。途中、宝水という湧き水に癒される。そして、上高地へ到着。あいかわらず人でにぎわっている。下界の風は山籠りの身には毒なので、さっさと旅立つ。徳沢ロッジへの道の途中、気分が悪くなりながらもがんばったが、徳沢でダウン。少し進んだところで、ビバークすることに決定。カゼが完治していなかったのだが、それにしてもこのくらいでダメになる自分の体力のなさは今後の課題だ。もっと体力をつけなければならないと思った。ビバークは初めてだった。雨で少し寒かったが、スープで温まった。この時、体育座り睡眠をややマスターできた。また、謎のクモが追い返しても追い返しても接近してきた。きっと自分に惚れたんだろう…と自意識過剰になりながら寝て、朝を迎えた。(前)
(千先補)石原が行けないと言うので一人残し、3人で出発。奥穂スタート30分の所で佐藤が落石を起こし、前のパーティーを死なせかけた。その後最大限にスピードを落として慎重に進んだ。落石が恐いが、岩登りとしてはちょうど良い難度だろうと思う。上高地以降、徳沢で前田は憔悴していたが、最低横尾までは行きたいと思っていた千先が続行させる。途中前田は背中の痛みから気分が悪くなり、千先はここが限界と判断、少しでもよい場所をと5分ほど進んだ場所をビバークポイントとした。雨が強くザイルを使ってツェルトを二つ張り、急いで紅茶を沸かして二人に飲ませた。夕食を摂り、時間を決めて眠った。

8/18 雨→ガス 起床4:00 帰幕、沈殿
BP4:50→5:20横尾5:40→6:35本谷橋6:45→7:27東稜末端出合7:40→8:05BC 8:50沈殿決定

ロングラン2日目。体力などを考慮し、予定していた槍アタックを中止し、このまま涸沢へ戻ることになった。自分のせいで申し訳なかった。入山時と同じルートで涸沢へ戻る。ほぼ空荷だったので短時間で登りきった。後は沈殿することになった。体力のなさを実感した2日間だった。夜、涸沢の山岳警備隊の方々が風呂を貸してくださった。警備隊の方々の優しさにとても感動した。きれいに身体を洗い、さっぱりして、快適な涸沢最後の夜を過ごした。(前)
(千先補)雨中ビバークでかなり消耗し、前田を倒れる寸前まで無理させたこと、佐藤が腹を壊したことから、南岳・大キレットをやめてBCに帰ることにした。雪訓をすることを考えたが前田を連れて行けないと岩見役がいないので、この日は沈殿とした。

8/19 はれ→ガス→はれ→にわか雨 雪訓4(試験)、下山
起床4:00 BC5:00→5:25雪訓場 6:20雪訓試験残り9:20 雪訓場9:30 9:50BC11:07→12:00本谷橋12:10→12:55横尾13:05→13:52徳沢14:00→14:40明神14:55→15:42上高地17:00→17:30竜下温泉18:15→19:00松本

下山日。雪訓試験の残りをなんとしても終わらせて下山しようと頑張る。前田は順調、千先はピッケル突き刺しで苦戦、石原は落ち役で腰と足首をぶつけたので、コンテの試験はやめることにした。下山リミットまで結構時間を残して雪訓試験は終了した。BCに帰りテントを撤収、警備隊に挨拶をして下山開始。食料・エッセンはなくなったが、10日分の疲れた体には重く感じられた。のんびり行こうと思ったが下山で気がはやるのか少し早くなってしまう。徳沢付近ではにわか雨が降った。上高地に16時前に到着。温泉を楽しみにしていたが日帰り入浴の時間が終わっていることが分かりがっかりした。乗り換えが面倒なので贅沢だが帰りもタクシーを利用。新島々近くの竜島温泉に寄って松本に帰った。たくまで打ち上げをして松本駅ステビバ。翌20日、千先は文登研のため富山へ、3人は縦走合流までの待機で松本観光をした。(千)

全体の反省

○準備


○入山

○雪訓

○北穂東稜

○蝶ヶ岳アタック

○ロングラン

○生活技術

○全般

個人感想・反省

2年 千先治樹

雑感

2年 佐藤大介

今回の定着での反省点 " 入山時にばててしまった " 西穂縦走時に落石を起こした " 後輩への指導・配慮が足りなかった 今後の課題 " 体力のさらなる増強(宝満歩荷で5h30以内) " 危険地帯での判断力を養う(阿蘇鷲ヶ峰・過去の遭難記録等を読む) " 精神力の強化(フリークライミングの最高グレードを上げる、アルパインクライミングでのトップの経験を積む、長期単独縦走) " 後輩の実力の把握(練習に積極的に参加する等)

1年 石原耕一

定着合宿を終えて まず、生まれて此の方自宅を一週間以上離れたことがないことから松本に着いてSBしているとき、家を離れることと自然の中での生活の不安から鬱になりかけていました。が上高地について入山するとそんな気分は吹き飛びました。約30kgの荷物を背負っての道のりは横尾までは大丈夫でしたが、横尾から涸沢までがものすごくつらかったです。涸沢に着いた時はまともに体が動かなかったです。雪訓でのピッケルストップは水泳をする感覚と似ていたので結構面白かったです。スタカットも順調にクリアしたのですがコンティニュアスでの制動をかけるとき、コイルがうまく崩れず手に引っかかり何度も何度もやり直したのがつらかったです。北穂東稜はゴジラの背が行きにくかったですが、阿蘇に比べたらかなり楽でした。北穂高から奥穂高までの道のりは険しく、ザイテングラードを下るのもきつかったです。蝶ヶ岳アタックも涸沢から標高差700下り1000上って、また1000下り700上るのはかなりきつかったです。最後BCの直前でついにばててしまいました。次の日のロングランにはさすがに参加できないと判断し沈殿しました。下山時の荷物は少し軽くなっていましたがそれでも座ってからでないと持ち上げられない重さでした。横尾まではすんなり下りられたのですが、横尾から上高地までが地獄でした。先輩たちのペースはものすごく速く全然付ついていけず、足はものすごく痛く上高地に着いた時は精魂尽き果てていました。十日間山の生活をして少しは山岳部精神が身についたと思いますが、体力の面や服の材質でタブーなものを着るなどなど色々な課題や無知が浮上した合宿でもありました。大事に至らなかったものの一歩間違えれば命に関わることだということを肝に銘じ、これからの活動に活かしていこうと思います。

1年 前田一樹

今回の合宿は、3000M登頂、万年雪、長期に亘るテント生活、ヤマケイ取材…などと、初めてのことばかりでとても新鮮であった。入山1日目は最初のスイカ運び人に選ばれ、洗礼を受けた。スイカを託した瞬間ツバサがはえたように身が軽くなった。雪訓では思う存分落ち役を満喫した。時間がたつにつれて疲れと寒さで体が少しずつ動かなくなったが気合でがんばり、なんとか雪訓試験は合格することができた。例年よりも傾斜が緩いと先輩たちがしきりに言っていたのは聞かなかったことにしておきたいと思う。北穂東稜は阿蘇の練習の成果が実ったのであろうか、案外すんなりと行けて良かった。ロングランは、西穂独標までのルートがかなり危険だったが、なんとか進みきることができ、少し自信になった。ロングランの日の夜は、初ビバークを経験した。雨がひどく寒かったが、窮屈な姿勢でもある程度眠ることができる自分を発見した。また、下山前日には、涸沢の山岳警備隊の方々のご厚意で、警備隊小屋の風呂に入ることができ、すっきりした気分で涸沢最後の夜を過ごし、下山の日には下山パワーを発揮することができた。雨天が多かったり、風邪をひいて、蝶ヶ岳を登ることができなかったりしたのは残念だったが、それらの埋め合わせをしても余ってしまうほどの感動とすばらしい体験をすることができ、今回の定着合宿に参加できたことを本当に嬉しく思う。今後の活動もがんばっていきたい。

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