平成17年度春山合宿報告

文責:船越陽
○山域:北アルプス槍ヶ岳周辺(上高地〜横尾尾根〜槍平〜新穂高温泉)
○期間:2006/03/14〜23 実働10日
○参加者:船越陽(C.L.6年)、佐藤大介(S.L.2年)、千先治樹(2年)

@3/14(火)雪 4:50松本駅→6:00中ノ湯6:35→8:00上高地→10:25明神→13:13横尾、偵察→14:50 横尾尾根P0・1のコルTS

 明神からは凍った梓川の真ん中を歩いていく。上高地から明神までは道が分かりづらく迷う。横尾に到着後、尾根取り付きを探してP0・1のコルにテントを張る。トレースなく、ラッセルも特にない。

A15(水)晴れ 5:00起床、6:30発→8:00P1→9:15P2→9:40P1・2のコル10:20→13:40P3→19:20P3・4のコルTS

 P3の雪壁は4ピッチザイルを出す。コルへはナイフリッジでも何度かザイルを使う。思いがけず時間がかかり、コルに着いたときは暗くなっていた。

B16(木)曇りのち雪 5:30起床、7:00発→11:25 P4T峰→12:30U峰→V峰15:20TS

 P4は雪壁を登る。所々ザイルを使う。ルート迷い、ザイル使用の判断などで時間がかかる。V峰の先でテントを張る。

C17(金)雪のち晴れ 5:00起床、6:30発→8:00P5→9:40P6→12:50横尾の歯手前→取り付きまで偵察→3:40TS

 P6から先の斜面では雪崩と雪庇に注意しながらザイルを出したので時間がかかる。横尾の歯は雪が多く付いていたため、雪を落としながら取り付きまで偵察をする。横尾の歯手前の尾根でテントを張る。

D18(土)晴れのち吹雪 4:00起床、5:30発→6:00取り付き6:20→7:20 1ピッチ目終了→9:30 2ピッチ目終了→10:30 3ピッチ目終了→11:40荷物デポ、引き返し→15:10TS

 フルボッカで横尾の歯を通過するのは難しいと考え、荷物を二回に分けて通過することにする。横尾の歯は3ピッチザイルを出すが時間がかかったため、本日テント場を先に進めるのはあきらめる。少し先まで偵察し引き返す。

E19(日)曇りのち吹雪 5:00起床、6:50発→9:00横尾の歯終了、14:00 P8手前のコルにて

雪洞掘り、17:00雪洞  横尾の歯を越えてからは吹雪のため視界が悪くなる。途中、1時間ほどツェルトに入って待機するがあまり天候が回復しないので、適当なところまで進んで雪洞を掘りもぐり込む。

F20(月)晴れ、強風 5:00起床、7:00発→7:30 P8→12:00主稜線→13:30南岳小屋TS

 朝から晴れているが槍沢側からの風が非常に強く、立っていられない。また地吹雪のため視界も悪い。P8で千先が指の痛みを訴えたのでしばらく立ち止まるが、大丈夫そうなので進むことにする。このときツェルトを風に飛ばされて紛失する。天狗のコルから先は急斜面であるが、時間短縮を考えて最上部でザイルを出しただけで下部は使わなかった。雪面は所々クラストしていてラッセルはほとんどない。適当な場所がないので休憩は取らなかった。千先、佐藤、船越の順に登る。南岳〜槍ヶ岳の主稜線上でも強風であったため、槍岳山荘へ行くよりも南岳小屋に行くことにする。小屋の横にテントを張る。この日、千先の指が凍傷の恐れがあるためヘリコプターの要請について考える。

G21(火)吹雪、沈殿 3:00起床、12:00冬期小屋へ避難

 千先の指の状況が良くならないため、ヘリコプターの要請を決める。9:00ころから無線、携帯電話で要請を試みるが不通。昼頃、千先の体調を考慮して冬期小屋へ移動する。

H22(水)晴れのち雪 3:30起床、6:30発→9:00中岳→11:25大喰岳、13:30千先をヘリコプターで収容→16:30大喰岳西尾根終了→18:30槍平小屋TS

 朝はやや風が強いが視界良好。千先は荷物を軽くし、左手にピッケルを持たせて行動する。大喰岳にて、槍ヶ岳方面にヘリコプターが旋回していたので手を振って呼ぼうとしたが来なかった。携帯電話が通じたためヘリコプターを要請し、岐阜県警に千先のみ救助される。船越・佐藤は大喰岳西尾根を下降し槍平小屋へ向かう。

I23(木)晴れ 6:30起床、8:50発→10:50滝谷避難小屋→14:25白出小屋→15:10穂高平小屋→16:00新穂高温泉

 昨晩の降雪、早朝の降雨のあとの晴れのため、雪面が緩み槍平からは両斜面で雪崩が起きている。ラッセルしながら慎重に進む。




ヘリコプター使用に関する報告書は現在作成中。

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